いきなりですが、次の言葉をご存じですか
・アンコンシャス・バイアス
・ルッキズム
・男性稼ぎ手モデル
これらの用語はジェンダーに関連することばですが、言葉からある程度の予想はできても、きちんとした定義を私は何れも知りませんでした。用語については後述してあります。
さて、上記の3項を含むいろいろなジェンダー関連用語の認知と経験・見聞き、実感についてのアンケート結果がありましたので、そのグラフを引用します。
ジェンダ-関連用語の認知と実感
アンケートの回答が次のものの割合を%で、認知と 実感の差をポイントで示しています。
認知では、「結果内容までは知らないが、言葉だけは知っている」 +「 内容まで知っている」
日常の生活で経験・見聞き、実感したことでは、「よくある」 + 「時々ある」

グラフ中の赤数字は「認知」と「実感」のポイント差

集計は次のようです。
□ 言葉の認知
認 知 :内容までは知らないが、言葉だけは知っている + 内容まで知っている
知らない:知らない + 見聞きしたような気がする (グラフには表示されていません)
□ 日常の生活で経験・見聞き、実感したこと
あ る :よくある + 時々ある
な い :あまりない + まったくない (グラフには表示されていません)
各ジェンダー用語の簡単な説明
- 男性稼ぎ手モデル(male breadwinner model)
男性が家庭の収入を稼ぎ、女性は家庭内労働を担うという、伝統的な家族モデルのこと。このモデルは、20世紀の西洋社会で広く普及し、日本でも戦後の高度経済成長期に大きな影響を与えました。 - ルッキズム(lookism:外見重視主義)
外見のみを重視して人を判断したり、容貌や容姿を理由に差別的な扱いをしたりすること。外見を意味する「Looks」と、主義を意味する「ism」を組み合わせた言葉で、日本語では「外見重視主義」「外見至上主義」と訳されることが多いようです。 - アンコンシャス・バイアス(unconscious bias:無意識の思い込み)
私たちが意識しないうちに持っている偏見や思い込みのこと。アンコンシャス・バイアスは、ジェンダー、人種、民族、年齢、障害など、さまざまな属性に基づいて存する。 - 家長父制度(patriarchy)
父親が家族の長として絶対的な権力を持ち、家族の他の構成員は父親に服従する社会制度。家長制は、古代から世界各地で見られ、現在でも一部の地域では残っています。 - ジェンダーロール(gender role:性役割)
社会や文化によって異なり、時代によっても変化します。例えば、日本では、かつては女性は家庭で家事や育児を担い、男性は外で働くことが一般的とされていた。しかし、近年では女性の社会進出が進み、男性と女性の役割が変化しつつあります。 - セクシュアル・コンセント(sexual consent:性的同意)
キスやボディタッチを含む性的行為を行う「前」に、両者が確認する同意のこと。たとえ自分が性的な行動を望んでいたとしても、相手が必ずしもそうだとは限らない。そのため、性的行為は必ずお互いの意思を尊重し、同意した上でなければならず、それがない場合は強姦(レイプ)や性的暴行、セクハラだと見なされます。 - マンスプレイニング(mansplaining:男性の上目線)
男性が女性に対して、相手の知識や能力を過小評価し、上から目線で物事を説明したり解説したりする行為のこと。マンスプレイニングは、女性に対する性差別的な行為であり、女性の能力を低く見なしたり、女性を無視したりするものです。 - ガラスの天井(glass ceiling)
女性やマイノリティが十分な素質や実績を持つにもかかわらず、昇進が制限されるという見えない障壁を指す。ガラスの天井の原因は、主に以下のようなものが挙げられます。
女性に対する偏見や差別
女性のキャリアを阻む制度や慣習
女性のライフスタイルの変化 - トキシック・マスキュウリティ(toxic masculinity:有害な男らしさ)
男性性(マスキュリニティ)の型に縛られることで、男性自身や周りの人々に悪影響を及ぼすような行動や態度のことを指す。例えば、暴力、攻撃性、支配性、自殺、薬物乱用、アルコール依存症、セクハラ、ドメスティックバイオレンスなどがトキシック・マスキュリニティに含まれる。 - ミソジニー(misogyny:女性蔑視)
女性に対する嫌悪や蔑視のこと。ミソジニーは、男性が女性に対して持つことが多いが、女性が女性に対して持つこともある。ミソジニーの原因は、いくつか考えられますが、主に以下のようなものが挙げられる。
女性に対する偏見や差別
男性優位の社会構造
女性に対する性的暴力
☞ 転載・引用
図やデータは情報源から転載引用させていただきました。スペースの都合で文・レイアウト共に編集する場合があります。
記述はできるだけ原典の表現を尊重していますが、抜粋紹介のため、図を含めて表現や用語を変更・省略・整理していますのでご了承ください。
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📖 原情報・出典
ジェンダーに関する意識調査(2023年)
https://institute.dentsu.com/articles/2892/
電通総研コンパス
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[出生率の低下][経済成長の鈍化][労働力不足][女性の健康問題][女性の人権侵害]
ジェンダー問題は、女性が社会で活躍する機会を奪い、ひいては日本社会全体の成長を阻害しているといいます。
参照した情報源によれば、家父長制以外では、用語は知らずとも、そういったことを経験・見聞きしたり実感している人の割合の方が多いと言うことのようです。逆の方がよいのだろうとは思いますが・・、残念ながらこれが現状だそうです。ジェンダーギャップ指数が示す通り、まだまだ日本はジェンダ途上国、いえいえ後進国のようですから、心しないといけませんね。
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