情報的健康

「情報的健康:インフォメーションヘルス」 少し前から気になっているワードです。深追いしたい、しなければいけないテーマですが、さわりだけを軽く引用しておきます。
「情報的健康」であるためには、我々は自分が情報的に健康かどうかを知り、どうすれば、それを実現できるかを分っていなければいけません。そのためには、「情報的健康」を判断する方法やその内容を知ることから始める必要がありそうです。

昨22年末に掲載された電通総研「情報摂取に関する意識と行動調査」の中で「健全な言論プラットフォームに向けて―デジタル・ダイエット宣言 ver.1」提言者の一人である鳥海不二夫さんは次のようにコメントしています。

情報空間の重要な特徴を知る

現在社会は、情報過多となっており、我々は接触する情報を自分自身で取捨選択することができなくなっています。
我々は、そのような現代の情報空間がどのようなものなのかをうっすらとはわかっているものの正確には理解しきれていないことが調査から明らかになりました。特に,現代情報空間の重要な特徴であるエコーチェンバーやフィルターバブル、そしてアテンションエコノミーについて認知されていないことが改めて明らかになりました。間接的にフェイクニュースや陰謀論の温床となるこれらの性質を知らずに、現代の情報空間を理解することはできません。(コメント引用)

情報空間を理解する上で重要なワードとその認知度

上記のコメントにあげられた用語とグラフデータに出現する用語の定義をWeb等から拾ってみます。

【認知度が低いワード】
  • エコーチェンバー
    SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などでは、似た価値観や似た環境の者同士でフォローしあうと、同じ情報だけが耳に入ってくるようになります。そして、その情報が真実だと思い、信じ込んでしまいます。このような状態を「エコーチェンバー」現象と呼びます。
  • フィルターバブル
    「フィルターバブル」は、インターネットのアルゴリズムによって分析された情報ばかりに触れている状態、一人ひとりが「情報の泡」に包まれていると表現した言葉です。「YouTubeで自分が興味のある関連動画ばかりを視聴すること」などが、その例として挙げられます。
  • アテンションエコノミー
    「アテンションエコノミー(関心を競う経済)」は情報の質よりも人々の関心や注目を集めた方が経済的利益が大きいことを指摘した経済学の概念。基本にあるのは、利用者の関心を集めて広告を見てもらう仕組みです。プラットフォーム事業者は行動履歴を取得することで、資源または交換財とすることを指します。
【認知度がやや低いワード】
  • 確証バイアス
    「確証バイアス」とは、認知バイアスの一種で、自分の考えが正しいか否かを検証する際に、自分の考えを証明する証拠ばかりを探してしまい、反証情報に注目しなかったり、無視したり、集めようとしなかったりする傾向のことをいいます。最初に思い込みがあると、多様な情報があっても、気づかぬうちに、最初の考えや思い込みを支持するような情報ばかりが目に付いてしまうことになります。
  • ファクトチェック/チェッカー
    「ファクトチェック」は、インターネットなどのメディアを通じて、社会に広がっている情報・ニュースや言説が事実に基づいているかどうかを調べ、そのプロセスを公にして、正確な情報を人々と共有する活動をいいます。ファクトチェックを行う人は「ファクトチェッカー」(fact checker)と呼ばれ機能の重要性が叫ばれています。
  • ディープフェイク
    「ディープフェイク」とは、もともとAIディープラーニング(深層学習)を活用して画像や動画を部分的に交換する技術のことを指す言葉でした。そこから定義が拡大し、現在ではフェイク動画(偽動画)を指すことが多くなっています。
    昨年にロシアのウクライナ侵略を巡り、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領が国民に投降を呼びかける偽動画がでまわり、「ディープフェイク」の言葉が知られるようになってきました。
【ある程度は認知されているワード】
  • メディアリテラシー
    「メディアリテラシー」とは、メディアで流されている情報がどのようにして作られているかを自分で想像できるような能力のことです。
    ① メディアを主体的に読み解く力
    ② メディアにアクセスし、活用する力
    ③ メディアを通じインターラクティブにコミュニケーションする力
    が主要な柱となります。
  • ニュースリテラシー
    「ニュース・リテラシー」とは、ニュースを中心に社会にあふれる様々な情報を正しく読み解くための力です。ニュース記事の内容を見て、発信元、発信者、信憑性があるか等を見極めて正しい情報か判断できる事をいいます。
【認知度が高いワード】
  • フェイクニュース
    「フェイクニュース」とは、主にネット上で広く共有されるように作成された、事実と異なる、虚偽またはでたらめな内容のニュース記事のことです。誹謗中傷を目的にした個人発信の投稿などを含める場合もあります。

☞ 転載・引用
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正確を期したい場合は原情報や的確なコンテンツにあたってください。


📖 原情報・出典
情報空間、情報摂取に関する言葉の認知率データ
(グラフ)
情報摂取に関する意識と行動調査
電通総研コンパスvol.10
https://institute.dentsu.com/articles/2635/



👀

「情報的健康:インフォメーションヘルス」
平易な言葉ですが、その響きに少しフィット感のなさを感じています。確かに、「情報」にプロパティでもついていれば、使いやすだろうと思うことはしばしばあります。言うまでも無く「情報そのもの」ではなく、使う側の問題ですが・・・。時に、この「情報的健康」の認知度はどの程度なのでしょう。

それにしても、ニュース一つを見るのにも、メタ認知能力が求められると言うことになりそうです。 脳天気な私のような人間にとっては、疲れる時代になりました。

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