ストレスの対処には、ストレスの基を対処する問題焦点コーピングと、ストレスの感じ方や考えをコントロールする情動焦点コーピングに分けられるという。ストレスの原因(ストレッサー)そのものが対処によって変化可能な場合は問題焦点コーピングが適当で、ストレッサーが対処によっても変化させることが難しい場合は情動焦点コーピングが適当だということのようです。
さてこのストレス対処の一つとして、「回避型」のコーピング、ストレスの原因を忘れようと、お酒を飲んだり、逃げたいと考えたり、時に人に当たり散らしたり、問題を他人のせいにしたりするなどの方法があります。
「回避型」を高頻度でとる人は認知機能障害のリスクが上昇
この「回避型」のコーピング行動を高頻度にとると、将来の認知機能障害のリスクの高さと関連することが示されたそうです。
これまでにも、「回避型」のコーピング行動は、うつ病、心的外傷後ストレス障害、アルコール依存症などの精神疾患に関係することが報告されており、さらにいくつかの研究では、回避行動が認知機能障害のリスクの上昇に関連することも報告されています。今回の研究でも、回避行動を必要以上にとり過ぎないようにする働きかけが、認知機能低下の予防につながる可能性が示唆されたといいます。
グラフはコーピング行動の6つの方法において、それぞれのコーピング行動の頻度が少ない(ほとんどない、たまに、ときどき)グループに対する、頻度が多い(かなりよく、非常によく)グループの、その後の、複数の種類の認知機能が障害された軽度認知障害および認知症を含めた認知機能障害と診断されるリスクの上昇をオッズ比で表わしています。
グラフに示されたとおり、「回避する」行動を高頻度にとることは、他のコーピング行動に比べ、将来の認知機能障害のリスクの高さと関連していることを示しています。
📖 原情報・出典
コーピング行動(日常経験する問題や出来事に対する対処の仕方)と軽度認知障害・認知症
国立がん研究センター がん対策研究所
多目的コホート研究
https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/9019.html
記述はできるだけ原典の表現を尊重していますが、抜粋紹介のため、図を含めて表現や用語を変更・省略・整理していますのでご了承ください。また、正確を期したい場合も原情報にあたってください。
ストレスと簡単な運動
以前から、「回避型」コーピングは精神的健康と負の関連があり、「回避型」コーピングを行った人ほど、ストレス反応、抑うつ・不安、不機嫌・怒りや無気力が高いと言う報告が散見されています。
といっても、ストレッサーと面と向かったり、気持ちをコントロールしてストレスを対処するのは、なかなかに難しいことです。どうしても「回避」を選択してしまう気持ちも分ります。では、ストレスを感じたらどうすれば良いのでしょうか。
最近、「うつは運動で消える」と題された書籍の試し読みを目にしました。著者ジェニファー・ハイズは運動と神経科学研究の第一者だそうです。タイトルは「うつ」とされていますが、ストレスや不安に始まり様々なメンタル障がいにいえることのようです。
アランの、「不快に立ち向かうとき知性は無力であり、ほとんど役に立たない・・・自分自身で制御できるのは、運動を伝える筋肉だけだ。直ぐに姿勢を変え、適切に身体を動かすことだ。・・・たとえば、ほほえむ」(幸福論)の一節を引き合いに出すまでもなく、著者の言うとおりだと思います。がジェニファー・ハイズのようにアイアンマンレースを目標にするのとは、ほど遠い私の運動志向、とてもストレスを運動で・・・、とはいきそうにありません。
もちろん、私も人並みにストレスを感じる事があります、と言っても主に「不快さ」ですが・・・。運動でストレス解消、とはいけそうもない私は、「不快」を感じた時には「両腕の漸進的筋弛緩法」「深いため息に始まるパワーブリージング」を行います。
筋弛緩法は運動と言えなくもないし、呼吸法も運動の一要素だとこじつけて実施していますが、なかなかに効果的です。 *イラスト画像は何れも田辺三菱製薬㈱HPより借用一部編集転載
* 漸進的筋弛緩法
- 息を吸う
こぶしを握り、手・腕に
ギューッと力を入れる。
そのまま3~4秒間キープ。 - 息を吐く
一気に力を抜いて
こぶしをフワッと開き、
そのまま緩んだ感じを味わう。 - 手順 1~2 を 5~7 回繰り返します。
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私は不快の基となる[事柄]や[人]を、殴りつけるような気持ちで拳に力を入れています。言うまでも無く邪道です。が、ストレッサーはほぼ確実に消え去ってくれます。
漸進的筋弛緩法に続いてパワーブリージング入ります
* パワーブリージング
- ため息をつくように【ゆっくり息を吐き】ます。
4~5 秒間、鼻から息を吸います。
この間に5~6秒 息を止めても効果的 - 6~7 秒間、口をすぼめて、息を吐きます。
息を吐く時は吐く事を意識し、ゆっくり。 - 手順 1~2 を 5~7 回繰り返します。
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あらぶった後のクールダウンにもなります。
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